写真集 『cell』 松江泰治


cell・松江泰治 cell
(2008/10/15)
松江 泰治

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松江泰治といえば、モノクロ、空撮で有名であるが、本書は今までの松江作品とは一線を画すものである。
人物を扱うということ自体、今までの作品にはなかったことであるが、これらの人々はこれまでに松江が撮影した空中写真の画面に予期せずに写りこんでしまったネガの面積200分の1程度の大きさの人々を、まさに”cell”というべき45センチ角の正方形にトリミングしたものなのである。
撮る側も、撮られる側もまったく意識をしていない写真。それは無意識的な意識とでもいうべきか、そこに写されているものはありのままの日常をおくりながらも、その実なにか非現実的な情感を起こさせるのはなぜだろう。様々なシークエンスから取り出された”cell”は豊かな色と人間模様で彩られ、何より写真を見ることの意味を深く考えさせてくれる。
今後の松江泰治の新たな展開を予感させる一冊です。
松江泰治(まつえたいじ、1963-)
1963 東京都に生れる
1987 東京大学理学部地理学科卒業
1996 第12回東川賞新人作家賞受賞
2002 第27回木村伊兵衛写真賞受賞
東京にて制作、活動

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26. 1月 2009 by hasestudio
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