路上を歩く ―標本としての煙草―

 

20080219_5704.jpg



アスファルトという減圧蒸留装置の残滓として生まれた
我が国を覆い尽くす原油から精製された固形物は、
あまりに長い歴史を持つあまり、
ひいては旧約聖書のバベルの塔の建設に
用いられたりするわけだが、
現代においてもその実直さはあまねきため、
路上に散乱する物質にすら
まるで博物館に収められた荘厳な陳列物のごとく
静寂にて清廉なたたずまいすら感じる。

09. 9月 2011 by hasestudio
Categories: 写真作品 |