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一眼レフと二眼レフの違い


前回、リコーのGX100を取り上げたときに
”二眼レフ”と”一眼レフ”はどう違うのか?
という問い合わせを何件かいただいたので、
今回は、その違いについて書いてみようと思います。

まず、基本的な機構から。

ichigan.jpg

二眼レフの構造

まず一眼レフは、
図のようにレンズから入った光がミラーで反射して、
その後ペンタプリズムという物の中を反射して
ファインダーに達します。

そして、
シャッターを切ると同時にミラーが上に跳ね上がり、
レンズからの光がフィルムに届くことになります。

特徴としては、
ファインダーで見る像と
実際にフィルムに写る像に
ズレがありません。

デメリットとしては、
シャッターを切るときに
ミラーが動いて振動が起きるので、
ブレの原因になります
(特に中判などのカメラ)。

一方二眼レフは、
その名のとおりレンズが2つ付いていて、
下のレンズはフィルムに達する光を取り入れ、
上のレンズはファインダーで
像を確認するためのレンズとなります。

このカメラは、
一眼レフであったミラーが必要ないため
シャッター時のミラーショックはないのですが、

上としたのレンズに位置のズレがあるために、
ファインダーで見る像と
実際に写る像にズレが生じてきます

このズレは被写体との距離が
近くなればなるほど大きくなります。

こうしてみると、
お互いにメリット、デメリットはありながらも、
ちょうど二眼レフの2つのレンズの役割を
ひとつにまとめたものが一眼レフ、
一眼レフの役割を別々にしたものが
二眼レフであるということがわかると思います。

この2つのカメラのおおきな違いは
これだけでなく、見え方に大きな差があります。
ichigan_sisei.ai.gif

nigan_sisei.ai.gif

この図を見てのとおり、
人物を撮ろうと思ったとき、
一眼レフが被写体の正面から構えるのが
基本的な構えだとすれば、

二眼レフの場合、上からのぞくという特性上、
人物の顔を撮ろうと思うと、
必然的に下から上を見上げるような格好
になります。

つまり、
一眼レフと二眼レフは何気なく撮影していても、
その根本からまったく違う角度
被写体と向き合っていくことになります。

前回”まったく違った視覚体験”
というようなことを書きましたが、
それはこういうことを指していたのです。

ためしに立てひざになって
いろんなものを注意深く見てみてください。

そこには
普段感じなかった新しい世界
広がっているはずです。


23. 4月 2007 by hasestudio
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