BRUTUS『民芸とみやげもん』 2010/ 7/15号
BRUTUS (ブルータス) 2010年 7/15号 [雑誌](2010/07/01)
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民藝といえば、
思想家、柳宗悦先生が提案した考え方で、
美の見地ではまったく見向きもされなかった
民衆の作る雑器、雑貨に目を向け、
そこにこそ本当の美があるという思想です。
民藝運動家の一人に
陶芸家の人間国宝、濱田庄司さんがいます。
濱田さんは栃木県の益子という町に釜を構えられ、
益子焼というものを世に広めました。
じつのところ
僕の生まれ育ったのはこの益子の隣町の
茂木というところで
益子焼の窯元も車で10分くらいのところにありました。
当然家で使う湯のみやカップなども益子焼なわけですが、
そうした大きな流れを知る由もなく
結構ぞんざいにあつかったりしていました。
ここ最近、
益子もかなりフィーチャーされるようになり
街も見違えるようにおしゃれになりました。
注目されるのはうれしいことですが、
民藝本来の趣旨から
離れていっているような気がしてなりません。
意外に
何にも知らずに生活に溶け込んでいるくらいのほうが
生活感の滲んだ本当の美が生まれてくるのではないかと
僕なんかは思います。
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