Daily Archives for 2011年7月31日

比叡山延暦寺のこと ―千日回峰行―

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ふたたび比叡山のおはなし。

前回、延暦寺が名だたる名僧を排出している
仏教界のメッカというはなしをしましたが、
ここは想像を絶する荒行のメッカでもあります。

その荒行のなかでも最も厳しいのが
千日回峰行(せんにちかいほうぎょう)です。

この修行は最初の3年間は
1年のうち100日だけ行が許され、
1日30Kmを歩いて255ヶ所の霊場を巡拝ます。

続く2年間は1年に200日、同じ修行を行ない、
この5年間で通算700日となります。

ここに至って、
9日間の「断食、断水、不眠、不臥の行」に入ます。
この行を修めないと次の行に進むことは許されません。

通常、人間が断食・断水状態で生きられる生理的限界は
3日間とされていることを考えれば、
ありえないほどの苦行です(汗)

この行の後、6年目は1年間に100日の行となります。

1日に歩く距離は60Kmと倍増し、
巡拝する場所も266カ所に増ます。

7年目は、前半の100日間が1日84Km、
300カ所の巡拝となります。

1日にこれだけの距離を歩くとなると
睡眠時間はわずか2時間。
そして、最後の100日間は
当初の1日30Kmの行に戻ります。

これで合計1000日間、
歩く距離は地球1周に匹敵する
4万Kmにもなるそうです。

写真は巡拝の出発地点となる
無堂寺谷の大乗院で撮影したもの。
僧侶が巡拝のために着用するわらじです。

裏面のすり減り方を見ても
修行の厳しさがうかがえます。

この業を終えると行者は
生身の不動明王ともいわれる
大阿闍梨という称号を与えられます。

この千日回峰行は
1200年を超える延暦寺の歴史でも
47人しかいません。

しかし、この荒行を2回終えた方が
3人もいらっしゃるそうです。
それだけ厳しい業を
2回もやってしまう精神力って
想像もつきませんが、
どの世界でも凄いひとというのはいるものですね―。


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31. 7月 2011 by hasestudio
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