「金刀比羅宮 書院の美」展 三重県立美術館

 

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先日、まえまえから言っていた
三重県立美術館の「金刀比羅宮 書院の美」展に
行ってきました。

生まれ変った県美第2弾です!

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この日はあいにくの天候で、
時間も開館直後(AM9:30)ということもあって
すいているだろうと思っていましたが、
すでにけっこうな人数が来館されていました。

とはいえ、ぼくと同年代の人は皆無で、
50~60代の方が多かったですが。

金刀比羅宮というのはご存知の通り、
香川県にある神社で、
「こんぴらさん」の愛称で親しまれ
古くから篤い信仰を集めています。

さらには、
その歴代の宮司が文芸を尊重し
画家たちを庇護したことから、
金刀比羅宮には
多くの文化遺産が残ることになりました。

今回は、伊藤若冲、円山応挙、岸岱など
江戸を代表する絵師による書院の障壁画(襖絵)
中心の展示ということでした。

どの障壁画も、金箔をあしらった豪華なものが多く、
とても美しい作品でした。

むかし谷崎潤一郎が『陰影礼賛』のなかで、

”むかしの家の中の明るさというのは
けっして直射光ではなく、
障子越しの光、日本家屋特有のほの暗さがあった”

というようなことを書いていました。

江戸時代に描かれたこれらの障壁画は
まさにそうした光環境の中での観賞用に
作られたものであるので、
今回の展示で照明をかなり暗くしているというのは
正しい展示方法であると思いました。

実際に薄闇に浮かぶ金箔の鈍い光というのは、
なんとも言えず美しく、
とても図録などで表現できる類のものではありません。
ぜひとも、会場で見てもらいたいです。

応挙、若冲から近現代の高橋由一、田窪恭治に至るまで
盛りだくさんの展示でした。

会期も6月8日と残すところわずかとなりました。
次回は、まちにまった佐伯祐三展。
今から楽しみです。


04. 6月 2008 by hasestudio
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