Monthly Archives for 5月 2010
皺む
布地における直線と曲線。
白と黒の対比。
Camera:CanonEOS5D Mark2 EF24-105mmF4 USM
Developping:Adobe PhotoShop Lightroom ver2.6
Finishing:AdobePhotoshopCS3 ver10,00
『沈黙』 遠藤周作
中学生の頃に読んで、
いまでもときどき読み返します。
話は徳川政権下の長崎。
島原の乱が鎮圧されて間もない頃の
キリシタン禁制の時代、
キリスト教の棄教を迫られる
ポルトガル司祭ロドリゴの目線から見た
神の存在、背教の心理を描いた
遠藤周作先生の傑作です。
激しい弾圧の前にも
あくまで沈黙を守る神。
救いを求めてどんなに祈りを捧げても、
ひたすら沈黙を守る神。
神は本当に居るのか?
もし居るのなら、
何故こんな過酷な受難の最中も
主は救いの手を差し伸べるどころか、
励ましの言葉さえかけてくれないのか?
信仰というものを通して人が自己と対話する様を
克明に、そして秀逸に描き出しています。
信号待ちの交差点
あたりまえのことですが、
横断歩道には、たくさんの人がやってきて
信号が変わるのを待っています。
理由は様々あるのだろうが、
”この道路を横断する”という共通の理由によって、
見ず知らずの人たちが一定時間、
空間を共有することになります。
そこにはいろんな想いが交錯し、
それぞれにいろんなストーリーが
混在しているのでしょう。
ぼくはこんな場面において、
この人がいまどんなことを考え
なにをしようとしているのかいつも想像してしまいます。
このヒトはわりと楽な格好をしているから
制服のある仕事をしていて、
まだ時間が早いから、アルバイトの帰りだろうとか、
この老夫婦はちょっとした包みを持って
楽しそうに何かを待っているようだから、
きっと遠方から息子や孫に会いに
いま駅に降り立ったのだろうとか、
あることないこと、
いろいろと想像が膨らんでしまうわけです。
そして、”ぱっ”と信号が赤から青に変わると、
幾何学的に処理された乱数のように
人々は、自分の定められた方向に向かって直進し、
次の赤が訪れるころには、
また別のストーリーが目の前に現れるのです。
Camera:CanonEOS5D Mark2 EF24-105mmF4 USM
Developping:Adobe PhotoShop Lightroom ver2.6
Finishing:AdobePhotoshopCS3 ver10,00
ひと気のない駅
JR亀山線というのは、結構な山道を進むわけですが、
夜にもなると、駅はほとんど無人で、
静かで耳鳴りがするほどです。
周辺も駅によっては街灯がほとんどなく
山にかこまれたなかにぼんやり駅のあかりが見える訳です。
そんな中に明かりを灯した電車がときどき行き来する様は、
ある意味幻想的ですらあります。
マジックアワーに重なった電車のたたずまいは
ちょっとなかなかのものでした。
Camera:CanonEOS5D Mark2 EF24-105mmF4 USM
Developping:Adobe PhotoShop Lightroom ver2.6
Finishing:AdobePhotoshopCS3 ver10,00