静止した時間


桜から飛び立つ鳥,写真

車を止めて窓を開けると、春がそっと流れ込んできてやさしい光が皮膚を反射する。
人気のない昼下がりの県道にオートバイが一台通り、
遠くでは子供たちの声が、まるで内緒ばなしのようにかすかに聞こえた。
「春だ。」と思った。
何度目の春だろう。
そこにはいつもこの季節に感じる風があり、香りがあり、ちょっと目をあげさえすればそこには桜さえあった。
と、その瞬間、一羽の鳥が音もなく大空にはばたく。
そこにはためらいや、目的などは見受けられなかった、それは無意識的ですらあった。
全身からは適度に力が抜け、美しくひろげられた羽は当然のように、的確に風をとらえた。
鳥が風に乗って遠くに滑空して行ってしまうと、そこにはいつものように春があった。
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21. 4月 2007 by hasestudio
Categories: 写真作品 |