Daily Archives for 2008年2月14日

『土田ヒロミのニッポン』東京都写真美術館


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先日の東京出張の際、
ついでということで
東京都写真美術館に行ってきました。

開館直後ということでヒトもまばらで、
ほぼ独占状態でした。

現在の展示は、土田ヒロミ氏の
「ニッポン」展と
新進作家たちによる
「スティル アライヴ」展でした。
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土田ヒロミ氏の展示は、
様々なヒトが集う場所を記録していった
「砂を数える」がたいへん興味深く、
まさに砂のように集まった、それぞれに意思を持ち、
個性を持った人間たちを眺めていると、
なんだか空恐ろしいような気持ちになってきます。

そして、人間という存在は
いったいどこに向かおうとしているのか
ということについて考えずにはいられません。

群れというものには、
常に何かしらの
得体の知れないエネルギーのようなものを感じます。

他にも、
1986年から毎日自分の顔を定点撮影した
”Dailyセルフポートレイト”も秀逸で、
たいへんシンプルな手法ながら、
日々変化していく自分の姿を克明に捉えています。

スティル アライヴ展は、
大橋仁の展示や
最近ちょくちょくお見かけする屋代敏博の「回転回」、
伊瀬聖子、田中功起などがありました。

この中でのお気に入りは、屋代敏博の「回転回」です。
風景の中に自分を溶け込ませるというコンセプトのもと、
長時間露光をして被写体自らが回転することにより、
文字通り被写体が絵の具として風景の中に溶け込むのです。

この作品はスケール的にまだ可能性を秘めていて、
とんでもない大規模なカタチでやってみたり、
ほんとうに自然(木々)のなかで
極彩色の衣装で回転してみたりなんかすると
面白いんじゃないかとひそかに思っています。

何よりワークショップ形式で、
被写体たち自らがアートを体験できる
というスタンスがいいと思います。

その他、
なにげに地下の映像展示室は
あまり宣伝されていませんが、
毎回楽しい体験型の展示を行っていてオススメです。


14. 2月 2008 by hasestudio
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