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アンドレアス・グルスキー展 @国立国際美術館
アンドレアス・グルスキー展に行って来ました。
場所は大阪の国立国際美術館。
なんだかんだで年に1度は来ています。
近年雑誌などで盛んに紹介されているので
ご存知の方も多いかもしれませんが、
大判カメラでの細密な表現が特徴の作家さんです。
大判カメラのもう一つの特徴としては、
画面の圧縮があります。
例えば35mm判での焦点距離50mmの標準レンズは
8☓10だとおよそ焦点距離360mm前後にあたります。
360mmというのは
35mm判でもけっこうな望遠です。
望遠レンズの特徴は遠近感の圧縮なので、
遠景と近景がディフォルメされるように近く写るのです。
その2つの要素が渾然となって、
この濃密な写真群を生み出しているのだと思います。
はっきりいって
図録ではほとんど伝わらないのですが、
実物の写真は数メートル単位の巨大なものばかりで、
写真そのものの力に圧倒されます。
写真の大きさで写真のチカラが変わることを
この写真展で再認識しました。
みなさまもぜひ
展覧会に行ってこの写真体験をしてみてください。
※大判カメラ
主に4☓5インチや8☓10インチの大型のフィルムを使うカメラ。写真を引き伸ばすときの倍率が小さくて済むので、ディテールの再現がよい。
物の価値
ぼくは写真作家の森山大道さんが好きで、
それはそれは大好きで、
血迷って1冊2万5000円もする
4冊セット(計10万円)の
写真全集を持っているほどです。
森山さんは
60年代から日本の写真界を牽引してきた
いわばアイドル的な存在で、
今活躍している作家さんの多くが
その作風に何らかの影響を
受けているのではないかと思います。
この本は京都で学生をしていたころ、
大阪十三の立ち寄った古本屋で、
超美品の初版本であるにもかかわらず
2800円という破格で売られていた
思い出深い逸品です。
現在の市場では
10万円以上で取引されている
写真集です。
好きな人は10万、
興味が無い人は2800円。
当時学生ながら物の価値について
いろいろと考えさられました。
Light & Shadow 光と影 新装版
博士の愛した数式 小川洋子
ぼくは私立文系だったので、
数学とは縁のない生活を送ってきましたが、
まったく関係がなくなると
人間興味が出てくるもので、
最近では不思議な数字のマジックに
魅せられ、
いろいろな本を読んだりしています。
数学と文学とは
まさに対局にありそうな存在ですが、
小川洋子さんの精緻な文章と
純粋無垢な定理とは
とっても素敵に馴染んでいました。
”純粋無垢な定理”と書きましたが、
この小説の中には
階乗、友愛数、素数、双子素数など
たくさんの公式や定理が出てきます。
こうした数学の世界を
巧みに文脈に取り入れながら、
流れるように小説的ピークに
もって行くことができるのは、
ひとえに小川さんの文章力のなせる技
なのでしょうが、
ほんとうにお世辞抜きで
文学的に素晴らしい作品です。
あいちトリエンナーレに行って来ました☆
先日やっと時間がとれて
あいちトリエンナーレにいってきました!
3年まえ同様、街のあちこちにいろんな仕掛けが・・・。
これは長者町会場の地下街。
パースを付けて描かれていて、
決まったビューポイントから見ると
ちゃんとした絵に見えるパブリックアート。
これは名古屋市美術館にある
藤森照信先生の空飛ぶ泥船。
予約すると実際に中に入ることができますが、
平日のこの日で2時間待ちで、断念。
アルフレッド・ジャー氏の
《生ましめんかな(栗原貞子と石巻市の子供たちに捧ぐ)》
先の震災で被災した学校の黒板が整然と並んだ展示。
これは、黒板が展示された2つの部屋をつなぐ部屋に置かれた
おびただしい数のチョーク。
今回見た展示の中では一番インパクトがあった
名和晃平氏の作品。
こんなトコロに?という意外性もあって
すごく印象に残っています。
ほかにもたくさんの展示があり
とても全部は紹介できませんが、
見応えたっぷりであることは間違いありません。
ぼくは1日あさからよるまでかかって
やっと半分くらい。
あと1,2日は欲しいところです。
とはいえさすが国際展、
脳のなかをざわざわさせられるような感覚。
ここに行くだけで
自分の気づかぬ才能が芽生えてしまいそうな気になるのは
僕だけでしょうかヽ(*´∀`*)ノ
次回行くのがいまから楽しみです☆
最後まで読んでいただきありがとうございます。
今日も最高にいい一日を!!
長谷浩二